雷は巨大な静電気の放電
雷は雲の中にたまった電気が一気に流れる現象です。高くそびえる積乱雲の中では、強い上昇気流に乗って氷の粒やあられが上下に動き、ぶつかり合ううちに電気が分かれます。おおむね軽い氷の結晶がプラスの電気を帯びて雲の上のほうへ、重いあられがマイナスの電気を帯びて下のほうへ集まります。その差が空気の耐えられる限界を超えると、空気を突き破って電流が流れます。これが雷です。雷の多くは雲の中や雲と雲のあいだで起き、地面まで届く落雷はその一部にすぎません。
稲妻が光ってから雷鳴が遅れて聞こえる理由、その時間差で落雷までの距離を見積もる方法、雷鳴が聞こえたら守る安全のきまりをまとめました。
雷は雲の中にたまった電気が一気に流れる現象です。高くそびえる積乱雲の中では、強い上昇気流に乗って氷の粒やあられが上下に動き、ぶつかり合ううちに電気が分かれます。おおむね軽い氷の結晶がプラスの電気を帯びて雲の上のほうへ、重いあられがマイナスの電気を帯びて下のほうへ集まります。その差が空気の耐えられる限界を超えると、空気を突き破って電流が流れます。これが雷です。雷の多くは雲の中や雲と雲のあいだで起き、地面まで届く落雷はその一部にすぎません。
稲妻が通る道すじの空気は、ごく短い時間で数万度まで熱せられます。急に熱くなった空気は爆発するように膨らんでまわりの空気を強く押しのけ、その衝撃が音となって広がったものが雷鳴です。近くに落ちた雷は鋭く引き裂くような音を立てますが、遠くの雷はゴロゴロと低く長く続きます。稲妻の道すじは長さが数キロメートルにもなるため、道すじの各部分から出た音が少しずつずれて届き、さらに山や建物にはね返ったこだまも重なるからです。
稲妻と雷鳴は同じ瞬間に生まれますが、私たちに届くまでの時間は大きく違います。光は秒速約30万キロメートルで進むので、数キロメートル先の稲妻の光は事実上その瞬間に目に入ります。一方、音は空気中を秒速約340メートルで伝わります。この値は気温によって変わり、暖かいほど少し速く、寒いほど遅くなりますが、ふだんの気温なら340メートル前後と考えれば十分です。音が1キロメートル進むのに約3秒かかるので、光ってから雷鳴が遅れるほど、雷は遠くで落ちたことになります。
光ってから雷鳴が聞こえるまでの時間をはかれば、落雷までの距離をおおまかに見積もれます。たとえば9秒なら約3キロメートル、3秒なら約1キロメートル先です。マイルを使う国では5で割るやり方が使われます。ただし光に気づいた瞬間と音を聞いた瞬間にはどうしても反応の遅れが入るので、あくまで目安として受け取ってください。
距離がはかれるからといって、遠ければ大丈夫というわけではありません。落雷は雷雲の中心から10キロメートル以上離れた場所に落ちることもあり、頭上の空がまだ晴れて見えるときに落ちることもあります。そのため気象機関や安全の専門機関は、計算の結果にかかわらず、雷鳴が聞こえたらすでに落雷の届く距離にいると考え、すぐ安全な場所へ移るよう呼びかけています。雨がやんで空が明るくなっても雷雲の後ろ側から雷が落ちることがあるので、最後の雷鳴から30分ほどたってから外に出るのがよいでしょう。
いちばん安全なのは、電気の配線と水道管が通った頑丈な建物の中です。壁のないあずまややバス停の屋根、テントは雨は防げても雷は防げません。屋根まで金属でできた自動車の中も比較的安全ですが、それはゴムのタイヤのおかげではなく、金属の車体が電流を外側に流してくれるからです。窓を閉め、金属の部分に手を触れないようにします。
建物の中が安全なのは、落雷の電流が配線や配管を伝って地面へ逃げていくからです。逆にいえば、その配線や配管に体が触れていると電流が通るおそれがあります。雷が鳴っているあいだは、固定電話やコンセントにつないだまま使う電子機器に触れず、シャワーや皿洗いのように水道を使うこともしばらく控えます。窓やドアから離れ、コンクリートの壁に寄りかかったりコンクリートの床に寝そべったりしません。パソコンなどの機器を守りたいなら、雷雲が来る前にプラグを抜いておき、雷が鳴っている最中に抜こうとしないでください。
屋外に完全に安全な姿勢や場所はありません。建物や車に行けないなら、高い場所から下り、一本立ちの木や水辺から離れ、何人かでいるなら互いに距離をとって一度に何人も被害を受けないようにします。雷に打たれた人の体に電気は残っていないので、すぐに近づいて助けてかまいません。ただちに119番に通報し、呼吸がない、または反応がなければ心肺蘇生を始めます。落雷事故で最も危険なのは心臓が止まることで、素早い手当てが命を左右します。登山やキャンプの前には気象庁の雷注意報や予報を確かめ、注意報が出ていれば予定を変えるほうが安全です。
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